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「ゲーム脳」徹底検証
斎藤環氏に聞く ゲーム脳の恐怖2
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脳波を測るならちゃんとした脳波計で
斎藤 「ベータ波が弱いと痴呆」っていうのもこれはもう、トンデモさんの発想でありまして、確かに高齢化すると、脳波全体がゆっくりになる傾向はあります。ただ、それは痴呆に限らず、高齢者はそういう傾向が全般的に出てくる。
――痴呆とは関係がないと。
斎藤 直接関係はありません。ただ、痴呆化してくるとそれこそ、デルタ波やシータ波が出てくることもあるわけです。ところがこの人は、専門じゃないと思ったのか何かわかりませんけれども、そっちは一切考えてないですね。
むしろ、フォーカスすべきはそっちのほうなんですよ。そういう、本物の徐波がどれだけ出るかっていうほうに焦点を当てるべきです。
でもさすがにそれだと、健常者からは徐波化の傾向はとりにくいから、ベータ波、アルファ波という、健常者でも出てき得る脳波に限定したと思います。明らかにこれは、事前に、研究しやすく自分でバイアスをかけちゃってるんですよ。
そんなものは正しい研究とは言えないですね。
とにかくこの脳波計は、どこからどう考えてもインチキです。こんなインチキな物を売られちゃ困るし、何か権威があるように誤解されても困る。脳波を測りたかったら、既にあるソフトとハードを買ったほうが安いですよっていうことは、ぜひ書いていただきたいですね。
――やっぱり、水分計を作ってる会社が脳波計作ってるから。
斎藤 あ、そうなんだ。そういうことですね、確かにね。こんな大層な機械いらないですよ。高級そうなこと書いてありますけど、非常に素朴な回路ですよ、この回路は。
――何で90万円もするんでしょうね?
斎藤 90万っていうのは明らかに、医療機器の値段ですよ。もちろんこの機械は、医療機器として認可されてませんけれどもね。どっちかというと学研の『電子ブロック』で組み立てたほうが早いんじゃないかという。
――(笑)
正しい脳波の測りかた
斎藤 脳波の測定は、シールドされているほうが良くはありますけれども、されてなくても大して影響はないというのは、経験的に明らかです。そうそうノイズが、そこらじゅうに満ち満ちているわけじゃないですからね。
この人の「簡易型脳波計を使えば、とくにシールドされていない部屋での脳波測定も可能」っていうのもおかしいですよ。シールドが必要っていうのは要するに、ノイズを拾うからなんですけど、それは簡易であろうが正規であろうが関係ないですよ。簡易だってノイズは拾うんですから。
あとはまあ、正規の脳波誘導では、並行して心電図もとりますね。脳波計が心臓のノイズを拾っちゃうからです。その影響を調べるためにやるんで、本当は、ちゃんと「ノイズを排除しました」って言うためには、それくらいきっちりやらないといけないんですよ。
それともう1つ、致命的なことを言うと、「筋電図」っていうのがあるんですよ。頭皮などの筋肉が、やはり電気的なパルスを発生してるわけなんですが、これはベータ波に似た波を出すんです。それを簡易脳波計が間違えて拾ってしまう可能性もある。
筋電図ってのは波形を見ればわかるんですよ。だけどこのマシンだと、単純に、比率しか調べてないから、筋電図かどうかはわかりようがないんですよね。
だから、とにかく、ちゃんとした脳波の図も、記録できるようにしてほしいんですよ。そうしないとね、アーチファクト、つまり人工的なノイズを拾ったのか、あるいはちゃんとした脳波なのかという区別ができないんですよ。いまだにそれは目で見なきゃわからない世界ですから。
アーチファクトか否かっていうことをちゃんと調べるには、正規の脳波の記録と、このマシンとの相関性を、まず検証した上でやるのが手順ですね。アーチファクトの区別ができてないというのも大いに問題です。
だってゲームやってるときなんかもう、筋電図出まくりですよ。頭だって揺れてるわけだし、アーチファクトだらけですよ、それこそ。ちゃんと採るんだったら、頭をがっちり固定して、手だけ動かしているようにしないと、本当は良くないわけなんですけれどもね。
(次ページへ続く)
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