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「ゲーム脳」徹底検証
トンデモ『ゲーム脳の恐怖』(2)
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プログラマーはものを考えてないって?
山本 でも、いちばん調べてほしいのがね、森先生の講義を受けてる学生の脳波!
――(笑)
山本 もしベータ波が減ってたらどうするんだろう。退屈な講義だったとしたら、ベータ/アルファ値が下がるんじゃないかなと、ちょっと思うんですけど。
――でも、講義受けてるときにベータ波が下がる状態は、望ましくないと言えますからね(笑)。寝てるのがいちばんベータ波が下がる。
山本 この人の論理でいくと、寝るのも危ないですよね。「睡眠脳」になっちゃうから(笑)。
――『ゲーム批評』のほうでしたっけ、パソコンのプログラミングは考えるのがわずかだって。
山本 どういう作業をやったかによりますよね。ルーチンワークだった可能性もあるし。
どういう作業をやったか、種類によって、測定を分けなきゃ駄目でしょう。そのときそのプログラマーがどういう作業をやったかを書かなきゃ駄目なのに、それがわからないから。
――多分、見ても何をやってるかわからなかったんでしょう。
山本 プログラマーはものを考えてないなんて、そんな結論が出てくるのが不思議なんですよ。
――それこそ、「太陽は熱くない」的な発想ですよね。(※注1)
山本 確かにね。普通だったら、そういう結果が出たら、「頭を使っててもベータ波が減ることはあるんだ」って結論にならなきゃおかしいんだけど。
注1:「アダムスキー型円盤」で有名なジョージ・アダムスキーの説。太陽系の惑星にすべて人間のような生物が生きていると主張していた彼は、その自説に基づいて、「太陽は熱い天体ではなく、各惑星の温度は太陽からの距離とは無関係である」と結論づけていた。
何十万人にひとりのケース
山本 『ゲーム批評』で、「やっぱりゲームでフライトシミュレーションをして、それにのめり込んで、今度は本物の飛行機を乗っ取って、それを操縦してトンネルや橋の下をくぐりたいっていうような事件が起きますからね」と言ってますが。
――ま、実際起きましたけど。
山本 フライトシミュレーターやってる人間なんて日本中に何万人いますか? 何万人いる中で1人が事件を起こしたからって、因果関係があると言われても。
さっきの伊能忠敬の話もそうだけど、特殊な例を出してきて、一般論であるかのように言うっていうのは、論理的には絶対間違いですね。
それこそ、「ウチの教祖様にお祈りしたら病気が治った」っていうのと一緒で。治った人はいるのだろうけども、治らなかった人はもっといるでしょ?
――予言者が、当たった予言もあるけど外れたほうがはるかに多い、というのと同じパターンですよね。
山本 今、日本中にゲーマーって何万、何十万っているわけですよね。だから絶対その中には、事件を起こす人も出てくるんだから。事件が起こったからって、なんでゲームの影響だっていうふうに言えるんだろうかと。
あと、まえがきにあったこのエピソード、
「子どもが自分の飼育していたカブトムシが死んでしまい、親が悲しんでいる様子を見て、『パパ、電池を交換すればいいよ』と真剣な顔をして言ったそうです。この話に私は強い衝撃を受けましたが、子どもの脳に異変が生じていることは現実なのです」
僕ね、この話、20年以上前に聞いたことがあるんです。
――え? 20年ですか?
山本 随分昔に聞いた話ですよ。ゲームが台頭してくる前からある話です、これは。多分、都市伝説だと思うんですよ。森さんの友人の話じゃなくて、友人の友人の……ということだと思います。そういう話を出してこられるとちょっと困っちゃいますよね。
(次ページへ続く)
と学会会長、『ゲーム脳の恐怖』をトンデモ本に認定/テレビゲームと運動の比較
森氏はゲームを知らなさすぎる/知らないからこそ出る結論
データと主観がごちゃ混ぜ/脳の問題じゃないだろう
江戸時代のたった2例から理論を展開/テレビゲームに慣れる感覚
プログラマーはものを考えてないって?/何十万人にひとりのケース
何でこんなに売れているのか/徹底的にやり合ったほうがいい
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